だからチューン

コミケで出す本から(本題と関係ないんで)削った話。

オールドナムコのデチューンについて、こんな話がありました:

スケールは12平均律をピッチをずらして3パターン用意していました。これはデチューンに活用されましたが、もともと、複数のチャンネルで同じ波形で同じ周波数で発音した場合に、位相が真逆になると音が消える、という現象を防ぐためのものでした。

バンダイナムコ知新「第8回 第1章 ナムコサウンドの足跡をたどる【後編】」慶野由利子氏、小沢純子氏、中潟憲雄氏、大久保博氏 インタビュー
https://funfare.bandainamcoent.co.jp/9566/

これがだいたい±12セントでした。

「MUCOM88のDコマンド」のような機能のない環境で、これくらいのデチューンが作れないか考えたことがあります。

結論は:\(\)

  • マルチプル5倍で2オクターブ下の長三度下を弾く→\(5\times 2^{-2-\frac{4}{12}}\approx 0.9921\)→だいたい13.7セント
  • マルチプル15倍で4オクターブ下の半音上を弾く→\(15\times 2^{-2+\frac{1}{12}}\approx 0.9932\)→だいたい11.7セント

なのですが、上に来るいいやつがないんですよね。

  • マルチプル9倍で3オクターブ下の全音下を弾く→\(9\times 2^{-3-\frac{2}{12}}\approx 1.0023\)→だいたい3.9セント

ちょっと近すぎる。

まあ、9倍とか15倍って、マルチプル全部1みたいな音しか作れないわけですが。

つづく