RenesasのRZ/Five (SMARC EVK) を触る機会があったので、Linuxのビルドを(マニュアル通りに)やってみたが、一発では動かなかったのでメモ。
RZ/Five Verified Linux Packageをダウンロードすると中に “SMARC EVK of RZ/Five Linux Start-up Guide” のPDFが入っているので、それを読みながら進めれば良い。
……のだが、同じディレクトリの中にあるRelease Noteの方にパッチ情報があるのでそっちも見ておく。
以下、Start-up Guideの章立てに従って。
2. Build Instructions
2.1 Required Host OS
基本的にWindows + TeraTermをシリアル端末にして、ビルドはLinuxという構成になっているが、2台用意するのは面倒なのでWindowsだけでビルドはWSLで済ませることにする。まあ、シリアル端末をLinuxで済ませる方法もあるとは思う。(← 8.5 Booting Setup with Ubuntu PC に説明があった。)
Ubuntu-22.04を要求されるので、
PS C:\Users\XXX> wsl --install Ubuntu-22.04
2.2 Building images
localeがen_US.UTF-8でないと何かメッセージが出るのだが、デフォルトでは設定できない(?)ようなので、適当に設定しておく。
$ sudo locale-gen en_US.UTF-8
$ sudo update-locale LANG=en_US.UTF-8
展開してからビルドするまでの間にbuild/conf/local.confを編集する。CIP_MODEが “Buster” (デフォルト)だとアーカイブの取得でエラーになるので、
# Select CIP Core packages by switching betwwen Buster and Bullseye.
# - Buster (default) : build all supported Debian 10 Buster recipes
# - Bullseye : build all supported Debian 11 Bullseye recipes
# - Not set (or different with above): not use CIP Core, use default packages version in Yocto
CIP_MODE = ””
“Bullseye” の方はv3.0.7のupdate3パッチを(Release Note見ながら手作業で)当てれば行けたが、特に理由がなければYoctoのデフォルトで良いのでは?
あとは (5) Start a build の指示に従ってbitbakeしたら一応通った。
で、試行錯誤して(↑意味がなかったメモはかなり消した)2.3 Notes まで読み進めたら、先に書いておいてほしかった情報があったりした。
3. Preparing the SD Card
WSLでやってると、SDカードがドライブとして認識されないので、fdiskとかもできない。
出来上がったwicファイルをWindows側(/mnt/c とか /mnt/d とか)にコピーして、Windowsのrawrite的なツール(いまどきメジャーなのは balenaEtcher ?)で書き込むのが多分一番簡単かな。not used wic imageの方でやりたければWindowsだけでは厳しいかも(ext4をいじるツールがあればなんとか?)。
4. Reference Board Setting
ここまで来たら引っかかるところはあまりない。付属のUSBケーブルでWindows PCに繋ぐだけ(電源は別に用意)。Windows側からは単なるFTDIのUSBシリアルに見えるのでWindows標準のドライバだけで問題なし。ただ、当然ながらボードの電源を入れないと認識されないので、ボードの電源を入れてからTeraTerm(など)を立ち上げる形になる。
そういえば、このボードの電源の入れ方(赤ボタン長押し)とかはここを読み進めていくと書いてあるけど、User’s Manualとかには書いてないんだよね。