【追記 2013-03-19】以下は書いた当時の情報であり、2013年3月現在、ここに書いたような方法(x86_errata()の無効化)を用いてもCloudCore VPSでNetBSDは動作しません。
KDDI Web Communications の CloudCore VPS、最安とまではいかないがそこそこ安いのと(トップにある945円/月は1年契約のときの値段ですが)、「提供予定」に普段使っているNetBSDが入っていたので様子を見ていたところ、
CentOS 5.8/CentOS 6.2/Fedora 16/Scientific Linux 6.2/Ubuntu 12.04 提供開始のお知らせ
なお、かねてよりOSインストール機能の一環にて提供予定としておりました、
「NetBSD」につきましてご報告させていただきます。
お客様からのご要望も高く、ご期待に添えるべく技術検証を重ねてまいりましたが、
サービスとして提供できるレベルに至らず、提供を見合わせることとなりました。
ご期待を寄せていただいていたお客様方へは深くお詫び申し上げます。
誠に申し訳ございませんでした。
とまあ、残念なお知らせが載っていたので、雲野コアさんに愛を伝えるべくどういう問題かを把握すべく試用してみました。
Back Street Net(神戸さんのサイト)のさくらVPSの例(とてもわかりやすくて助かります)を参考に if_wm.c にパッチをあてて、イメージを作成。
(VNCコンソールなのでinstallbootのオプション,console=com0,speed=115200は削りました。)
イメージの書き込みは、他のサポートされているOSのインストーラを途中で止めて、ネットワークの設定をしてイメージを転送してddでディスクに書き込むだけなので、特にトリッキーなテクニックを使う必要もなく比較的簡単です。私はFreeBSDのインストーラを使いました。(今後ISOイメージからの起動ができるようになるそうなので、もっと簡単になりそうです。)
すると、…起動に失敗します。
理由は、多分以下のスレッドのものと同じですが、
Current-Users archive: Boot fail as kvm guest
要は、sys/arch/x86/x86/errata.cのx86_errata()でCPUがAMDと判定されるとMSRへのアクセスがありますが、KVM上では通らないという事のようです。今のところ、AMDのCPU以外では何もしないようになっているので、さくらVPS(IntelのCPUに見える)等では問題ないということでしょう。
「KVM上の場合は何もしない」というコードをどう書くのが正しいかわからないので、x86_errata()が何もしないようにソースを直接書き換えて、再度コンパイルしてイメージを作り、さらにACPIとSMPをdisable(起動メニューの4番)したところ起動しました。
一応、インストールした後負荷をかけてみたりしましたが、動いているようです。ただ、「サービスとして提供できるレベルに至らず」という文面が気になるところです。
契約して使うかどうかは迷っています。
何処をどう直すのがスジかという話ですが、KVMとかハイパバイザの類の上でどうせCPU依存の特殊なことはできないのであれば、それらがCPUの種類を隠蔽してくれるのがいい気がしますが、どうでしょうか。
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